金稜辺(キンリョウヘン)の品種・ミツバチ誘引蘭
原種シンビジウム・東洋蘭

このページの下の方には、恵蘭寒蘭も少し紹介しています。

金稜辺の品種

池田錦、玉輝、銀河、金蜀晃、銀嶺、月光、月章、原種(赤花)、
原種(白花)、 晃玉殿、黄金錦、残墨、紫雲殿、 日月、七変化、白玉、
白髯、瑞晃、千代田錦、 天賜、東亜錦、常盤青、常盤錦、日章、福田錦、
富士、芙蓉錦、文明、宝生殿、 時鳥、眞鶴(真鶴)、御幸、八重衣、八千代、若松

我が家で育てている金稜辺の品種もずいぶん増えました。せっかくですので、品種毎の特徴を紹介しようと思い、このページを作成しました。
品種ごとに開花時期が少しずつ違うので、いろいろな品種を揃えておくとミツバチの捕獲に便利です。もっとも、ミツバチ捕獲だけが目的ならば、原種(無地葉)の方が花着きが勝るかもしれません。原種を何鉢か揃えて、温度条件を変えて育てれば開花時期に差が出ます。
金稜辺は花変わりが少なく、花は良い香りがしない(古雑巾のような、ちょっと酸っぱい匂いがします)ので、私の品種蒐集も、そろそろ打ち止めです。
斑・花色については、栽培条件によって少し変化すると思いますので、必ずしも写真の通りになるとは限りません。
育て方は、シンビジウムや東洋蘭の育て方を参考にしてください。
ちなみに、私の所では、植え込み用土は主にペレポスト PELLEPOST(旧名・SUGOI-ne)を使っています。こんな感じで植えています。

優良な金稜辺を入手ご希望の方は、 「東洋蘭の大石」さんからのご購入を強くお勧めします。
ネットオークションでも入手は可能ですが、かなり怪しい業者・個人もいます。明らかな品種違いや、無理に花芽が着いたバルブだけを株分けしたものなどが、出品されていたりしますので、注意が必要です。

金稜辺の葉芸・系統一覧表を作りました。下記をクリックするとJPG版を見ることが出来ます。
金稜辺・亜細亜(昌球)系統葉芸一覧その1
金稜辺・亜細亜(昌球)系統葉芸一覧その2
金稜辺紫金龍(紫錦)系統葉芸一覧

画像をクリックすると拡大表示されます。
池田錦
いけだにしき
金稜辺・池田錦
金稜辺・池田錦の葉


「常盤錦」よりも少し大型で、葉芸も派手目ということですが、私のような素人には違いはほとんどわかりませんが、地色の緑が少し濃いように思います。同じ栽培環境で育てると、常盤錦は確かに地味な柄になりやすいのに対し、池田錦は三光縞が少しはっきり出るなど派手目のような感じです。
また、常盤錦を育てていると、地味な葉芸(三光縞がはっきり出ない)・派手な三光縞・大覆輪などが一株の中に混在することもあるようです。追記・・・池田錦においても同様の現象があることを確認しました。
ちなみに、池田錦の葉芸には2系統あるようで、ひとつは覆輪に三光縞の系統(写真上)と、もうひとつは大覆輪系統(写真下)ということです。

金稜辺・池田錦の花


セパル・ペタルとも細めです。
開花はやや遅め。

玉輝
ぎょっき


紺覆輪、乳白色の中透け。写真では中透けが黄色っぽく写っていますが、実際は、もっと白い中透けです。富士よりも白く、白玉と同じくらいの白さです。
ただし、後はぜ傾向。


標準的な花。薄めの斑入りです。

銀河
ぎんが


葉芸は、濃い紺覆輪に白の細縞柄で細葉。樋形葉。


月光・月章と良く似た感じの花です。

金蜀晃
きんしょくこう

金司冠から変化したもの。
かなり小型の品種です。


細葉の樋形葉で、青覆輪、白黄の中斑。写真は新木の葉なので、鮮やかさに欠けます。常盤錦や池田錦とは真逆の葉芸です。

銀嶺
ぎんれい

雪山から変化した品種。
下の段に掲載の銀嶺(?)とは別の所から入手した物。こちらが正しい銀嶺です。


この株には、銀嶺という品種の特徴である葉の捻れがあります。
その代わり、覆輪や蹴込みは、あまり見られません。新芽には覆輪があります。古木には耳摺り覆輪が出ています。

「東洋ラン柄物」によると、葉は捻れても単なる青葉になってしまうケースが多い品種だそうです。葉の捻れと大覆輪・蹴込みという二つの特徴を兼ね備えた物は、絶滅危惧種かもしれません?
なお、銀嶺が立葉に変化したものに「銀峰」という品種があるようです。

花芽
鮮やかな色合いの花芽が着きました。


鮮やかな色合いの花が咲きました。祖先である「八重衣」の影響でしょうか?
セパル・ペタル共に細いです。

銀嶺(?)
ぎんれい

改め、「東亜錦」

「銀嶺」という品種名で入手しましたが・・・・・?


雪白の大覆輪に大蹴込み斑。葉に捻れを生ずるのが銀嶺の特徴。

しかし、この株には、それがありません。やや樋形葉で、新木は黄の大覆輪ですが、古木になると、白黄大覆輪に縞が入ります。東亜錦にも見えますが、株がまだ少し小さいせいか細葉です。
2-3年育てれば、正体がわかるかも知れません。新芽を見ると、銀嶺というのは間違いで、東亜錦である可能性が高いように思います。
追記・・・経過観察の結果、「東亜錦」であると確定いたしました。

月光
げっこう
金稜辺・月光

やや立ち葉性。
「月章」から変化した品種。
月章よりも少し葉が垂れて柔らかめです。
もしかすると、月章の2倍体系を月光と言っているのかも?

金稜辺・月光の葉


葉芸は、月章よりも中斑部分が白く、紺覆輪の紺色が濃く、艶があるとされています。
我が家にある個体を月章と比較すると、特に大きな違いはありませんが、伸び始めて1年目の新葉の中斑が、月章は黄緑色なのに対し、月光は黄白色に見えます。古木の葉は、ほぼ同じように感じます。また、月光の方が、紺色が少し濃いめです。


月章とほとんど同じですが、中斑縞が強めかも知れません。

月章
げっしょう
金稜辺・月章

立ち葉性。

写真では、あまり葉が立ってないように写ってしまいました。
「松島」から変化した品種。
月章は、染色体が4倍体だそうです。ただし、2倍体の系統もあるそうです。

金稜辺・月章の葉


葉芸は、濃緑色の覆輪に黄金色の中透け縞が現れます。

金稜辺・月章の花


セパル・ペタルともやや広め。この品種の葉芸と同じく、中透縞が入っています。
開花は遅め。

原種・赤花

金稜辺の原種で、花色が赤い物です。
原種は丈夫で育てやすく、ミツバチの誘引力も葉芸品種よりも強いと言われています。
写真は、実生のフラスコ苗をポットに植えて1年経過した幼苗です。
開花まであと3年くらいは必要かと思います。


葉芸は、ありません。


2009年にフラスコ出しして、2014年開花しました。開花まで、丸5年かかったことになります。

原種・白花
金稜辺・原種白花

金稜辺の原種で、花色が白い物です。
原種は丈夫で育てやすく、ミツバチの誘引力も葉芸品種よりも強いと言われています。
「白麗」の品種名で、日本金稜辺蘭連合会に登録もされているようです。
また、「白雲」の品種名で、白花金稜辺が紹介・販売されていたりしますが、これは誤りです。「白雲」は、紺覆輪に白の網斑の葉芸品種で、赤花が咲きます。

金稜辺・原種白花の葉


葉芸は、ありません。

金稜辺・原種白花の花


白花といっても純白ではなく、花弁とガクは黄緑色です。唇弁が白く見えますが、薄いピンクの点があります。

晃玉殿
こうぎょくでん

詳細不明。銘鑑には記載が有ります。


紺覆輪に白の中斑縞。細葉。

花芽
白い花茎が伸びました。花茎・花ともに独特な色合いです。


花茎は白いのに、セパル・ペタルには緑色が強く出ているような気がします。

黄金錦
こがねにしき
金稜辺・黄金錦

立ち葉性。

「干綱(ほしあみ)」から変化した品種。

金稜辺・黄金錦の葉


葉芸は、紺覆輪に黄金色の中透け縞が現れます。
この中透けは、「後はぜ」という性質で、育つにつれて美しく鮮明になってくるそうです。
古い資料によると、この品種の中透けは、右の写真よりもっと派手らしいです。我が家の個体は、原種の「干網」か、「干網」から変わった「神代」に近い葉芸なのかもしれません。採光が弱いせい?

金稜辺・黄金錦の花


セパル・ペタルの幅は標準的で、縞が入ります。
開花は一番遅い部類です。

残墨
ざんぼく

変化元不明。銘鑑などにも記載がありません。「墨流」という品種があり、「紺覆輪浅く、鼠色中斑、葉幅狭く立葉」とされることから、「墨流」が垂れ葉に変化したのかもしれません。
植え替えをしていて最近思ったのは、この品種は、金稜辺ではなく、細葉恵蘭の系統なのでは?どうも金稜辺にしては、根の分岐が少なすぎるのです。金稜辺は、根が途中から幾重にも分岐して始末に負えない事があるんですが、この品種は、すっきりしていて植え替えも簡単です。
何方か、この品種の花を咲かせた方、いらっしゃいませんか?


細葉で小型。やや垂れ葉。浅い紺覆輪、浅黄中斑です。
新芽は紺覆輪に白黄の中斑が美しく、成長すると一旦暗んで、時鳥に似た地味柄になりますが、古木になると中斑が冴えて、紺覆輪とのコントラストがはっきり出てきます。
葉先が焼けやすい傾向があるようです。
垂れ葉気味で、葉柄は地味ですが、優しい感じのする品種です。

紫雲殿
しうんでん


濃い緑の中に、白の中斑が出ます。

日月
じつげつ
金稜辺・日月

垂れ葉性。
やや小型。
「紫錦」から変化した品種。一部の古い資料では、白王冠からの変わりとなっています。

金稜辺・日月の葉


葉芸は、白覆輪が現れますが、地味目です。細葉。
写真は一番派手目の葉を写しました。

金稜辺・日月の花


セパル・ペタルとも広めです。
開花はやや早め。

七変化
しちへんげ

古い銘鑑に「七福壽」という品種があり、某書には「出芽紺覆輪中斑、後黄縞で七変化する。黄おぼろ、おぼろ紺など」の記述がありますが・・・?
比較的新しい品種らしく、古い時代の資料には、登場しません。詳細不明の品種です。
「七変化」は、花の紅色が他品種に比べて鮮やかです。
「八重衣」は、ピンクに近い花が咲きますし、「御幸」も、鮮紅色の花が咲くそうですから、もしかすると「七変化」は、「八重衣」や「御幸」に近い系統なのかもしれません。


葉芸は、変化が多いようで、紺覆輪におぼろ中斑、中斑縞などが現れるようです。

新芽
新芽は、紺爪に白の中透けです。

花芽
通常の金稜辺の花芽とは違う色合いの花芽です。銀嶺と八重衣の中間的な感じかもしれません。やはり、八重衣に近い品種なのだと思います。


中斑縞に一部おぼろ斑が入るバルブに咲いた花です。少し濃いめで鮮やかな色の花が咲きました。
この品種は葉柄が七変化しますので、それに応じて、花も少し変化するようです。
セパル・ペタルとも標準か、やや細めです。

花2
上に掲載した花芽が開花しました。
セパル・ペタルとも細めです。
同じ品種に咲いた花とは思えないほど、印象が異なります。

白玉
しらたま

「富士」から変化した品種。
少しねじれながら横に広がり優雅な葉姿を見せます。


葉芸は、紺覆輪に雪白の中透斑です。富士よりも葉が厚めで、櫛目がはっきりと出ます。
富士が後はぜ傾向であるのに対し、白玉は今はぜで、新木も雪白の中透けになります。


葉芸同様、中透が出ています。

白髯
しらひげ

変化元不明の品種。古い資料を見ると、この品種の葉芸に近いと思われる品種に、「白雲」「筑紫」「武よう」などがあります。これらの品種から変化したものかも?
新芽が伸びる様子・花茎・花色などを見ると、「八重衣」に近い品種なのかも知れません。
昭和30年代末頃からの銘鑑に記載があります。


葉芸は、紺覆輪に地味な浅黄色の中斑(曙斑あるいは網斑か)が入ります。

花芽
晃玉殿と同じ色合いの、白い花茎です。
花茎が白いから「白髯」の名が付いた?

花芽
白地に緑色の爪覆輪、ピンクの縞が映える美しい花が咲きました。  

瑞晃
ずいこう

詳細不明。銘鑑には記載が有ります。小型の品種。


細葉で、紫雲殿にも少し似ていますが、紫雲殿よりもやや黄色味を帯びた中斑で、葉に独特の捻りがあります。


千代田錦
ちよだにしき
金稜辺・千代田錦

中垂れ葉性。

開花時期が早いので、ミツバチ誘引には重宝するようです。
「日月」から変化した品種。

金稜辺・千代田錦の葉


葉芸は、乳白色や白黄色の大深覆輪が現れます。細葉。
後から出る葉ほど覆輪が深く、留め葉の2枚くらい(本葉4-5枚目)は葉先が燕尾のように割れます。(写真参照)そのため、葉先が焼けるなど痛みやすい傾向があるようです。


花は、他品種に先駆けて咲きます。花にも覆輪と縞斑が出るようです。

天賜
てんし


三色が現れます。


おそらく、花は着きにくいと思います。

東亜錦
とうあにしき
金稜辺・東亜錦

中垂れ葉性。
「若松」から変化した品種。

金稜辺・東亜錦の葉


葉芸は、白黄色の大覆輪。
広葉。
新葉展開1年目は写真のような黄の大覆輪ですが、古木になると、白黄の大覆輪に白の細縞も出る三色芸。

金稜辺・東亜錦の花


セパル・ペタルは、幅・色とも中間型。
「若松」から変化した品種だけに、花も「若松」と同じです。
少し斑が入ります。葉芸が派手目な割には、花は地味です。
開花はやや早め。

常盤青
ときわあお
金稜辺・常盤青

「常盤錦」の原種?
常盤錦や池田錦の三光縞が抜けた系統なのかもしれません。

金稜辺・常盤青の葉


葉芸は、「常盤錦」が地味に(中透け縞が無く)なった感じです。

金稜辺・常盤青の花


セパル・ペタルは、幅が狭く、赤色は薄めで緑色が多いようです。
開花やや遅め。

常盤錦
ときわにしき
金稜辺・常盤錦

中立ち葉性。
金稜辺の代表的品種のひとつ。
「原色東洋ラン(誠文堂新光社刊)」によると、「月章」から変化した物ということですが、「東洋ラン・柄物(誠文堂新光社刊)」では、「桃山」からの変わりとなっています。

金稜辺・常盤錦の葉


葉芸は、乳白色の深爪に中透け縞(三光縞)が出ます。
写真は、採光を強めにした古い葉なので、派手目に写っているようです。
我が家の株は、池田錦のような派手な三光縞や大覆輪もあれば、地味な覆輪のみの葉もあります。
常盤錦から発生した派手な三光縞と大覆輪の二系統を「池田錦」とし、地味な覆輪を「常盤青」と読んでいるのかもしれません。あくまで、素人の推測の域を出ませんが・・・。

金稜辺・常盤錦の花


セパル・ペタルは、幅が狭く、赤色は薄めで緑色が多く、「常盤青」「池田錦」とほぼ同じか、やや赤色が薄めです。
前年には、もう少し赤みの強い花が咲いたように思います。

日章
にっしょう
金稜辺・日章

中立ち葉性。
細葉で、くせのある葉です。
「曲玉」から変化した品種。

金稜辺・日章の葉


葉芸は、転覆芸で、出芽の時は紺覆輪に白の中透け、後に色が逆転して紺の部分が白の覆輪に変わります。写真は完成した白覆輪。

新芽
新芽は、紺覆輪に真っ白の中透けです。


子吹きは良いんですが、その分花が着き難いようです。
バルブが大きくなるように管理することで、2015年、無事開花しました。

福田錦
ふくだにしき

変化元不明
熊本県天草・姫戸町産の新しい品種です。手元の株は、多肥により地味柄になったようですが、本来はもっと柄が冴えるようです。


紺覆輪に白の中斑。
一番派手柄の葉を撮影しました。


葉柄同様の斑が出ています。

富士
ふじ

日本錦からの変化種
白玉同様、少し捻れながら横に広がり優雅。


紺覆輪に黄白の中透斑。株がまだ小さいため、写真では葉が細く写っていますが、株が充実してくれば、もっと幅広の葉になると思います。


芙蓉錦
ふようにしき
金稜辺・芙蓉錦

立ち葉性。
「昌球」から変化した品種。

金稜辺・芙蓉錦の葉


鮮黄色の深爪や蹴込み深覆輪が出ます。
「後はぜ」で、出芽して暫くは無芸に近い感じですが、夏を過ぎる頃から蹴込み深覆輪が次第にはっきりと出てきます。
さらに、古木になると、葉全面が縞で覆われます。

金稜辺・芙蓉錦の花


セパル・ペタルとも広め。
「日月」の花に花形が似ていますが、緑色が強く、覆輪や縞があります。

文明
ぶんめい


葉芸は、黄白の虎斑で後はぜ。地味目ですが、球茎(バルブ)に近い部分が真っ白く抜ける独特の芸が出ます。「白足袋」とも呼ばれるそうです。


セパル・ペタルともやや細めですが、特に特徴がないというか・・・。

宝生殿
ほうじょうでん

「宝珠」の変化したもの。
宝珠がどのような品種なのか、古い資料にも記載が無いので、分かりませんが・・・
「原色東洋ラン」によると、宝珠のはっきりしない中斑が、はっきり出た物らしいです。


紺覆輪に黄の中斑。
印象としては、若松に似ていますが、若松よりも少し斑の色が黄色い感じです。
また、若松は新木から斑の色がはっきり出ますが、宝生殿は後はぜです。


若松の花に似ていますが、少しセパル・ペタルの幅が広い感じの花が咲きました。芙蓉錦にも似ているかも・・・。

時鳥
ほととぎす

小型種。
「松島」から変化した品種。


葉芸は、紺覆輪に浅黄の中透けが現れますが、地味目です。細葉。
写真は、葉先が尖っていますが、多くの葉はもう少し丸みがあるのが特徴。


子吹きはとても良いようですが、花芽は着きにくいように思います。

眞鶴(真鶴)
まなづる

やや大型の品種。明治20年から30年頃の銘鑑に記載がありますが、その後、昭和初期頃の銘鑑・資料には記載が無くなります。そして、昭和40年代後半からの銘鑑に記載が復活。
「原色東洋ラン」の富士・白玉の説明文の中に、真鶴についての記述があります。それによると、富士と白玉の中間の葉芸を示す品種とか。
また、東洋蘭の大石さんのご説明によると、「富士とか白玉の一歩手前の品種です。葉型は上記と同様で垂れ系、柄は葉元が白縞系で先に成る程地味と成ります。」とのことでした。
葉柄は地味ですが、富士・白玉と同じく葉姿は優雅です。


白い中斑が出ますが、地味目です。


セパル・ペタルともやや細めの花が咲きました。写真は、開花が進んでいますので、尚更細く見えます。
斑の入り方は、やはり白玉に近いように思います。

御幸
みゆき


紺爪(紺かぶり)、白いおぼろ中斑で、八重の縞も出ます。
無地葉が出る事もあるようで、七変化同様、不思議な品種です。
全体的に七変化に似ていますが、中斑の色(特に新木)が白い印象を受けます。はっきりとした縞柄が出るのも、七変化に無い特徴かも?


キンリョウヘンには珍しく、鮮紅色の花が咲くようです。残念ながら、我が家では、まだ花を見ませんが・・・

八重衣
やえごろも

やや小型種。
「紫錦」から変化した品種。


葉芸は、紺爪に白いおぼろ中斑で地味目です。細葉の垂葉。
後に虎斑も出ます。


花芽
白い花茎が出ました。蕾も鮮やかな色をしています。


金稜辺独特の泥臭さのない、鮮やかな花色です。
ブログにも別の日に撮影した画像を掲載しました。

八千代
やちよ

「原色東洋蘭図譜」によると、大正5年に「華山」「玉錦」「由井ガ浜」の三種を合併して「八千代」と名付けられたそうです。由井ガ浜・華山は東雲からの変化種、玉錦は国光司からの変化種とされます。他の資料では、変化元親に相違はあるものの、三種合併で命名された品種であることに間違いはないようです。ちなみに華山は絶種。


葉芸は、紺覆輪に白黄の中斑です。樋形葉で、葉腰が折れるのが特徴とされます。


赤い色が薄めの花が咲きました。薄目の斑入りです。

若松
わかまつ

中垂れ葉性。
「八重衣」から変化したもの。
「若松」から変化した品種には「東亜錦」や「天賜」があります。

金稜辺・若松の葉(上柄)
金稜辺・若松の葉


葉芸は、黄白の中斑縞が現れますが、やや地味?広葉。
上の写真は、前年に伸びた派手目の葉を写しました。
我が家の個体は、中の写真のように、古い葉のほとんどはきわめて地味です。
普通は、もう少しキレイな斑が出ると思います。
その後、斑のはっきり出る個体を入手しました。この株は、白黄の中斑がきれいに出ています(写真下)。
同じ品種でも、個体によって、これだけ差が出るということでしょう。
柄がはっきり出ると、普及品種ながら、なかなかの美術品です。

金稜辺・若松の花


セパル・ペタルは、幅・色とも中間型で、「東亜錦」の親なので、葉柄は違っても、花は同じような感じです。
少し斑が入ります。
開花時期がかなり早い部類の品種です。
下の写真は、上柄のバルブに咲いた花です。地味柄バルブの花よりも、斑がはっきり出るようです。



ミツバチ誘引蘭(シンビジウム)

金稜辺以外のトウヨウミツバチを誘引する蘭です。
金稜辺やデボニアナムの交配品種は多数あり、
ミツバチ誘引力のある品種もたくさんあるようですが、
今の所、我が家にあるのは下に紹介している4品種です。
デボニアナム
Cymbidium devonianum
シンビジウム・デボニアナム

インド北部〜ヒマラヤ、ネパール、タイの標高1400〜2200メートルの高地に分布する着生種とされています。地面から生えている野生個体の写真を見かけますので、半着生種なのかも?
洋蘭の下垂性シンビジウムの交配親に使われる品種です。
金稜辺と比べるとかなり大型のシンビジウムです。

シンビジウム・デボニアナムの葉


金稜辺と比べると大きな葉で、幅も3−4倍くらいあります。
シンビジウムとしてはナギランとともに葉幅が広いのが特徴です。葉幅が広いということは、雨や夜露を株元にたくさん集める訳で、水分を好む性質なのかも知れません。

シンビジウム・デボニアナムの花


いかにも野生的な感じです。
開花時期は、金稜辺の遅く開花する品種並みと思います。
この蘭は、気難しがりで、花芽も着き難く、花芽が途中で枯れることもあります。
前年に伸びたバルブだけでなく、2年前のバルブから花が咲くことがあります。

ミスマフェット
Cymbidium Miss Muffet
(devonianum×pumilum )

デボニアナムの花にキンリョウヘンの花粉を交配して生まれた品種。
ニホンミツバチの誘引力がとても強いと評判のシンビジウムです。

シンビジウム・ミスマフェットの葉


金稜辺よりも少し幅が広めで、葉の長さも50cm位になります。

シンビジウム・ミスマフェットの花


リップが真っ赤です。
開花時期は、金稜辺のやや遅めに開花する品種並みと思います。
上の写真では、コラムの先端(花粉塊が入った袋)が少し赤みがありますが、別の所から入手した物(下)は、この部分が黄色です。
元々が、人口交配で誕生した品種ですので、花色や葉形などに多少の違いが出ると思われます。

ハニービー
Cymbidium Honey Bee
(pumilum×devonianum )
シンビジウム・ハニービー

デボニアナムとキンリョウヘンの交配品種。
明石蘭園さんで育種されました。
ミスマフェットとは父母が逆と思われます。つまり、キンリョウヘンの花にデボニアナムの花粉を交配させた物。明石蘭園さんのホームページでは、表記が逆になっていますが、苗に付いているラベルでは左のような表記になっています。


ミスマフェットと同じような感じで、やはり幅が少し広めです。



全体の色は、ミスマフェットとほぼ同じです。コラムの先端部が黄色です。

スアビッシマム
(スアヴィシムム)
(スワビッシマム)
Cymbidium suavissimum


ミャンマー北部原産の原種シンビジウムです。ナチュラルハイブリッドとの説もあるようです。
写真上は、フラスコ苗。
オーストラリアから個人輸入したものです。

写真中は、フラスコから出してコミュニティーポット植えにした所(2010年10月)です。開花するまで5年くらいかかる見込みです。

写真下は、2012年7月現在の苗です。真ん中の一番大きな苗で、草丈が12cmになりました。
金稜辺と比較するると、成長がかなり遅いように思います。花が見られるまでには、相当な期間がかかりそうです。
2015年5月現在、バルブが形成され、バルブ脇から新芽が伸び始めた物もあります。最長葉は約30cm。


キンリョウヘンにそっくりな赤褐色の花が夏に開花します。毎年花芽を付けるわけではないようです。ニホンミツバチを誘引する力は持っていますが、開花時期からすると分蜂群の捕獲にはあまり利用できないと思います。
また、suavissimumの花には芳香があるそうです。



その他の東洋蘭・シンビジウム原種

金稜辺だけでなく、恵蘭・寒蘭などの東洋蘭も少し育てています。
これらの蘭にはミツバチ誘引力はありません。
雄蘭
(品種=天司晃)

Cymbidium ensifolium
雄蘭・天司晃

恵蘭・細葉系
建蘭あるいは駿河蘭とも呼ばれています。

雄蘭・天司晃の葉


紺覆輪に黄の中透け縞です。

新芽

玉花蘭
(品種=朝陽)

Cymbidium niveo-marginatum

恵蘭・細葉系


白爪+黄大覆輪+紺鼠縞の三段芸です。出芽は桃色。

新芽

玉花蘭
(品種=錦旗)

Cymbidium niveo-marginatum

恵蘭・細葉系


紺鼠地に黄・白の大深覆輪。出芽は桃色。

新芽

玉チン蘭
(品種=愛晃簾)

Cymbidium gyokuchin

恵蘭・細葉系


白爪と黄の三光縞です。

新芽


素心花。微香。

赤芽素心蘭
(品種=薩摩錦)

Cymbidium akame-sosin

恵蘭・細葉系


紺深爪や紺覆輪で、黄縞斑中透。


新芽

赤芽素心蘭
(品種=赤芽日進)

Cymbidium akame-sosin

恵蘭・細葉系


覆輪に蹴込みも入っています。

新芽
赤い袴から伸びる新芽は、薩摩錦と同様に白くてきれいです。

赤芽日進の花


白地に赤い条線が入り、美しい花です。芳香あり。

赤芽素心蘭
(品種=西海錦)

Cymbidium akame-sosin

恵蘭・細葉系


白黄曙斑。

新芽

岩古今輪蘭
(品種=日進)

Cymbidium albo-marginatum

恵蘭・細葉系


雪白の深覆輪と白い蹴込み縞。

新芽

ヘツカラン(辺塚蘭)
Cymbidium dayanum

原産地はインドシナ半島、インド北部、ボルネオ、九州南部、沖縄など。秋に開花し、下垂性。樹上に着生して生育します。東洋蘭の世界では、寒鳳蘭とも言い、「小松錦」「貴女姫」などの葉芸品種は恵蘭の細葉系に分類されています。


我が家にあるのは、中透縞が入るタイプです。
「小松錦」という品種にそっくりですが、小松錦として購入した物ではないので、詳しくは不明。
写真では、広葉ぎみに写っていますが、かなりの細葉です。野生の株では、葉が1メートルくらいに伸びるそうです。

辺塚蘭(ヘツカラン)の花
辺塚蘭(ヘツカラン)の花2


本来は下垂するはずですが・・・・?
栽培条件によって、ステム(花柄)の形状は変化するそうです。

春蘭
Cymbidium goeringii

東アジアからインド北西部の温帯に広く分布する小型の地生種です。日本では、北海道南部から九州に広く分布します。
花は春に開花。
原種は、「ジジババ」などとも呼ばれます。
変異も多く、花変わりや、葉芸も多彩。


園芸品種としていろいろなタイプの花があるようですが、写真は並物(いわゆるジジババ)です。

報歳蘭(品種=山川報歳蘭)
Cymbidium sinense

恵蘭・広葉系
鹿児島県指宿市の山川という地名がその名の由来。その地に自生していたとも言われているそうですが、詳細は不明。報歳というのは、旧正月頃に花が咲くことから、歳を報せるという意味だそうです。


恵蘭の広葉系に分類されているだけあって、葉幅が広く、大型です。ミスマフェットと同じくらいの葉の大きさ・葉幅ですが、キンリョウヘンやミスマフェット程の葉の厚みはありません。

新芽

中国春蘭(品種=天司晃)
Cymbidium goeringii
糸蘭(品種=呉鳳)
Cymbidium goeringii
糸蘭(白花)
Cymbidium goeringii
寒蘭(品種=白鳥)
Cymbidium kanran
寒蘭(品種=小夜の月)
Cymbidium kanran
寒蘭(品種=細葉武陵)
Cymbidium kanran
寒蘭(品種=かぐや姫)
Cymbidium kanran
寒蘭(品種=光玉殿)
Cymbidium kanran

夏の終わりに開花しましたので、花色が本来の色ではないようです。

冬に咲いた花の色はこんな感じです。
杭州寒蘭
Cymbidium kanran
蓮弁蘭(品種=雲南雪素)
Cymbidium lianpan
他に蓮弁蘭1種、寒蘭数種など


葉芸(斑)について

覆輪 葉の周囲に白や黄色の斑が入っている物。葉の周辺部が特に濃い色になっている物を紺覆輪と言う。
葉先のみに斑が入っている物
葉に縦に線が入っている物
中透け 葉の中心付近が白くなっている物
虎斑 葉脈を横断するように斑が入る物
蹴込み 葉先に現れ、緑の部分に細く入り込む縞


シンビジウムの花について

A ガク(セパル=sepal) A1を主弁、A2を副弁とも言う。
B 花弁(ペタル=petal) 棒心とも言う。
C 唇弁(リップ=lip) 舌とも言う。
D 花芯(コラム=column) 鼻頭とも言う。

記述に誤りがありましたら、ご指摘いただければ幸いです。

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