柿畑(蜂屋柿)での日本蜜蜂飼育の実際
ポリネーション・農薬散布の影響など

福島の桃・あんぽ柿(干し柿)産直販売=大武農園


日本蜜蜂(ニホンミツバチ)の飼育とポリネーション(花粉交配)への利用
柿畑内での
飼育について

日本蜜蜂(ニホンミツバチ)巣門前での旋風行動
柿畑に設置された日本蜜蜂(ニホンミツバチ)巣箱

柿畑内で飼育するにあたって

生産と品質の安定のためには、全く薬剤散布を行なわない訳にもいきません。我が家の場合、柿栽培では、年間2回から3回の、殺菌剤・殺虫剤の散布を行ないます。
農薬が蜂達にどの程度影響するのか、蜂達に影響の無い薬剤・散布方法などを、いろいろと試してみるつもりです。
実験台にされる蜂達にとってはいい迷惑かもしれませんが・・・。

ポリネーション効果
柿の花の蜜を集める日本蜜蜂(ニホンミツバチ)

2008年
蜂屋柿の開花期間中に、日本蜜蜂2群を柿畑内に放飼した結果、大きく形の良い柿が豊作でした。ただ、他の畑でも豊作傾向でしたので、蜜蜂の受粉効果について、はっきりした事は今の所わかりません。

2009年
地域全般に柿は不作の年でした。梅雨が長引いたのが原因と考えられています。地域の防除基準に従って多回数の薬剤散布を実施した畑では収穫量が確保でき、散布回数の少ない畑では収穫がほとんど無かったなどと言われています。しかし・・・我が家の畑ではたった1回の薬剤(殺虫剤+殺菌剤)散布でも豊作でした。
2009年の豊作が日本ミツバチによるポリネーション効果によるものかどうか確かなことはわかりませんが、多少は好影響があったのかも知れません。

今後の課題として、観察を続けていきます。ハウス栽培の作物の場合は、ポリネーション効果も目に見えて現れると思いますが、柿のような露地作物の場合は、明らかな効果をみとめることは難しいですが・・・。

農薬散布による
蜂群への影響

最初に捕獲したのは、柿畑内でのことでした。その後、薬剤散布にあたって、巣箱を別の柿畑に移動、約2週間後に自宅裏(元の柿畑からは20−30メートルほど)に再度移動しました。
最初の移動の前日には、移動先の柿畑にはジマンダイセン水和剤(殺菌剤)と、モスピラン水溶剤(ネオニコチノイド系殺虫剤)を散布してありました。つまり、蜂達は、薬剤散布した翌日の柿畑内で生活を始めた訳ですが、影響は見られませんでした。
開花期に殺虫剤を散布するとかなりの影響が出ると思いますが、柿の場合は、落花後の薬剤散布ですので、ほとんど影響は無いものと思われます。
そのような訳で、2009年からは、新しく捕獲した蜂群の巣箱を柿畑内に常置して飼育をはじめました。
農薬散布にあたっては、ミツバチに安全性の高いと思われる薬剤を選択して散布しています。
ミツバチ達は、蜜源のかなりの部分を農地に依存しています。農作物そのものから蜜や花粉を集めるだけでなく、農地内やその近辺の雑草や樹木が重要な蜜源になっています。
農地に依存しない蜜源を増やす努力も、もちろん必要でしょうが、農作物に散布する農薬をなるべくミツバチに影響しないものを選択したり、散布方法を工夫することで、野生のニホンミツバチが農地周辺で増え、農業とミツバチが共生できる環境が形成されることが望ましいと思います。
もっとも、そんな心配はしなくても、農地周辺でニホンミツバチは元気に生きているんですが・・・。

農薬散布による影響
2009年

2009年は、柿畑内で計3群、桃畑の片隅で2群を飼育しましたが、農薬による明らかな影響は見られませんでした。基本的に、殺菌剤と除草剤については、まったく心配はいていません。もっとも、除草剤は畑では使用したことがありませんが・・・。
一部の殺虫剤については使用方法によっては、強い影響が予想されますので、使用にあたっては、充分な注意が必要だと思います。
ニホンミツバチは、農薬を散布された花には近寄らないなどと、とんでもないデタラメ情報が流さていてますが、そのような事実はありません。だからこそ、ミツバチに対する配慮が必要なわけです。
柿や桃の開花期間中には薬剤散布はしません。花が終わって、ミツバチの訪花が見られなくなったのを確認してから薬剤散布をするように心がけています。
桃については、葉の付け根にある蜜腺に日本蜜蜂が蜜を集めに来ます。薬剤が付着した葉から蜜を集め、また、直接薬剤を浴びせかけられる蜂もいるわけです。また、桃畑や柿畑の下草には、クローバーなどの蜜源植物が自生していて、散布した薬剤がそれらにも降りかかります。
このような状況下、柿畑内の蜂群も桃畑横の蜂群も、立派な強群に成長しています。
また、巣箱から数十メートル離れた場所で露地キュウリも栽培しており、ネオニコチノイド系も含め比較的影響が強いであろうと思われる殺虫剤も使いましたが、問題ありませんでした。
もっとも、全ての薬剤散布について、その都度全ての蜂群への影響を調べたわけではありません。多少は影響の出たこともあったかもしれませんが、薬剤散布回数の多い桃やキュウリの畑のすぐ横で飼育しても、素晴らしい強群に成長したと言うことです。散布した薬剤が、巣箱に直接降りかかるような状況でも、一定の配慮をする事で、問題なく強群に成長します。

ミツバチに影響が小さいとされる農薬(殺虫剤)

アーデント水和剤、ウララドライフロアブル、カスケード乳剤、ノーモルト乳剤、バリアード顆粒水和剤、フェニックス顆粒水和剤、モスピラン水溶剤、サムコルフロアブルなど。
上記以外でも、BT剤やIGR剤は一般的に影響は少ないようです。また、殺ダニ剤も影響が小さいとされています。

ミツバチに影響が大きいと
される農薬(殺虫剤)

アクタラ顆粒水溶剤、アディオン乳剤、アドマイヤー水和剤・顆粒水和剤、ダントツ水溶剤、ディプテレックス乳剤、マラソン乳剤など。


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