ポリネーターとしての日本蜜蜂(ニホンミツバチ)

福島の桃・あんぽ柿(干し柿)産直販売=大武農園



日本蜜蜂との出会い
「ぼかし」に集まる日本蜜蜂(ニホンミツバチ)

2003年の事だったと思うのですが、「ぼかし」作りの際に、ミツバチがどこからともなく集まってきたことがありました。
桃の開花時期や、キュウリの収穫時期に、それらの花に集まるミツバチは、常日頃から見かけていましたが、蜜も花粉も無い「ぼかし」にミツバチが集まるとは思ってもいなかったので、興味をもって写真に収め、暫く観察しました。
これが、ニホンミツバチとの最初の出会いです。

「ぼかし」・・・米ぬか、油粕、骨粉、魚粉などを、散水しながら積み上げて、自然醗酵させて作る有機肥料。

捕獲・飼育を決意
そして初捕獲
金稜辺(キンリョウヘン)

いろいろと調べてみると、ニホンミツバチは、野生群を捕獲して、飼育が可能だということがわかり、ぜひ飼育してみたいと思い始めたんですが・・・。農作物が不作続きで予算が捻出できず、数年が経過しました。
ようやく作が安定して、少し余裕が出た2007年秋に、翌春開花予定の金稜辺蘭を購入、ミツバチ捕獲に向けて動き出したのです。
そして、2008年5月に、日本蜜蜂分蜂群を自宅前の柿畑で捕獲することが出来ました。

ポリネーション
なぜ、日本蜜蜂?
柿の花の蜜を集める日本蜜蜂(ニホンミツバチ)

果樹や野菜など、受粉が必要な作物を育てる農家が、ミツバチを飼育するのですから、ハチミツを採ることを主な目的とするのではなく、ポリネーション(花粉交配)に、より重きを置いた飼育を目指しています。せっかくですので、ハチミツも採取はしますが・・・。
特に、蜂屋柿の栽培では、生理落果が多く、安定して柿を生産するために、確実に受粉させた方が生産が安定すると考えられます。
地元のJAでは、受粉用のセイヨウミツバチを専門業者から借り入れる費用の一部を助成して、受粉ミツバチの導入を推奨しているくらいです。
ニホンミツバチを自分で捕獲・飼育すれば、高価なニホンミツバチのハチミツにもありつけるし、野生群捕獲の楽しみもあるわけですから、私のところでは、セイヨウミツバチの蜂群を借りるのではなく、ニホンミツバチを捕獲し、飼育することにしました。
金稜辺という蘭を利用するその捕獲方法や、日本在来の野生種だということも、日本蜜蜂に興味を惹かれた理由のひとつです。
また、ニホンミツバチは、セイヨウミツバチと比べて、低温・低照度でも訪花活動が活発で、ポリネーターとして大いに期待できるとの調査もあります。
ポリネーターとして本格的に導入するには、日本蜜蜂特有の難しさ(逃去性など)もあります。それらを解決するには、優良系統を人工交配などにより育成する必要があるようです。私のところでは、知識や技量、時間的余裕もありませんので、なかなかそこまではできませんが・・・。

イチゴの受粉

イチゴ栽培では、ポリネーターとしてセイヨウミツバチが使われています。
地元のイチゴ栽培者から聞いた話では、オシベの葯が開いて花粉が出る前にニホンミツバチが訪花すると、葯を齧ってしまうために受粉が上手く行かない場合があるそうです。低温・低照度で訪花するニホンミツバチの特性故の出来事といえます。イチゴは午前10時頃に開葯するそうですが、セイヨウミツバチならば、その頃から訪花が始まるので都合が良いとの事でした。
ただこれは、野生のニホンミツバチが、イチゴハウス内に侵入した場合の話です。ハウス内にニホンミツバチの巣箱を設置して、イチゴの開葯時間に合わせて巣門を開閉してやれば、ニホンミツバチもイチゴの受粉に利用できるかもしれません。
特に、大武農園のある福島県伊達市(特に南部の霊山町)は、大産地の栃木などと比較して冬場の日照時間が短いので、ニホンミツバチの特長を生かす余地があるように思います。
その後聞いた話では、実際にイチゴ栽培にニホンミツバチを専門に利用している生産者もいらっしゃるそうです。

ブルーベリーの受粉


ブルーベリーの花は、釣鐘型をしていますが、ニホンミツバチはこの花が苦手のようです。
我が家の畑に植えてある20本ほどのブルーベリーに訪花するのはセイヨウミツバチが圧倒的に多いようです。
セイヨウミツバチは、ブルーベリーの花の中に頭を突っ込んで蜜を嘗めます。(写真上)
ところがニホンミツバチは、取れかけの花びらの付け根付近を嘗めたり(写真中)、花びらが落ちた後の子房を嘗めたり(写真下)しています。
これでは受粉の役に立ちません。
セイヨウミツバチの舌は、長さが6ミリあるのに対し、ニホンミツバチのそれは、5ミリから5.2ミリしかないそうです。このため、釣鐘型の花に頭を突っ込んでも、舌が花蜜まで届かないのだと思います。
ブルーベリーの品種の違いや、剪定などの管理の違いによって、花の大きさや形も少し変わると思いますので、上に書いたような事が全て当てはまるわけではないとは思いますが、ブルーベリーの受粉については、ニホンミツバチに、あまり大きな期待をしない方が良いと思います。

ビニールハウスで


ビニールハウスで育てた菜の花の蜜や花粉を、我が家のニホンミツバチが集められるようにビニールの裾を大きく開けておくと、ミツバチ達がハウス内の菜の花に集まります。

問題はその後・・・

蜜や花粉を集めたニホンミツバチは、帰巣しようとするんですが、開放してあるビニールの裾から上手く出られずに、ハウスの天井付近で、ビニールに頭を激しく押し付けて羽音を出しています。最終的には無事に帰巣しているようですが・・・。

ミツバチ飼育3年目
日本蜜蜂巣門前での旋風行動

日本蜜蜂の飼育を始めたばかりの初心者が開設したページですので、誤り・情報不足などがあるかと思いますが、お許しください。お気づきの点がありましたらご連絡いただければ幸いです。
今後、時間はかかるかと思いますが、少しずつ内容の充実を図ります。

飼育1年目(2008年)・・・自宅柿畑内で2群捕獲。2群越冬。
飼育2年目(2009年)・・・前年捕獲群がそれぞれ分蜂・捕獲。新たに捕獲した3群と合わせて、飼育群は7群。3群は秋までに、消滅・逃去したため、4群が越冬。
飼育3年目(2010年)・・・2010年2月時点で4群飼育でしたが、1群は消滅(女王の死去と思われる)。飼育群の分蜂や自然群の分蜂捕獲により、5月現在7群に。さらに、2群を嫁入りさせました。


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